火加減調整がいらない炊飯土鍋
365日使える「かまどさん」
じゃこの炊き込みごはんもふっくら、いい香り。
ガスの炎+かまどさん。最強のコンビなのです。
「かまどさん」美味しさのヒミツ
土鍋で炊くごはんはなぜ美味しいのでしょう?
それは、鍋底から強い炎で包み込むことで一気に温度を上げ、米の旨みを逃さないから。また、対流によってムラなくお米の芯までふっくら火が通るからです。
いわゆる、昔ながらの「かまど炊き」が美味しいごはんの炊き方です。
「かまどさん」のおいしさのヒミツを教えてくれたのは、土鍋コーディネーターの竹村謙二さん。
土鍋の魅力を伝えるべく、全国で土鍋料理教室などの講師を務めています。
1.“伊賀土”にこそ、極意あり!
「かまどさん」をつくるのは、創業が天保3(1832)年という伊賀窯元・長谷園。
この地にしかない“伊賀土”にそのヒミツがあります。
約400万年前には琵琶湖の湖底だった伊賀の地。
「古琵琶湖層」と言われる堆積から産出される伊賀土には、微生物の化石が含まれています。
この土を1200℃の高温で焼いたときに、その化石だけが焼けて細かい気孔ができ、この無数の気孔によってじっくり熱を蓄えるので、「あたたまりにくく、冷めにくい」という土鍋の良さを最大限に発揮できるというわけです。
伊賀土でつくられた土鍋は、まさしく呼吸する土鍋。
炎に包まれた「かまどさん」は呼吸しながらごはんを炊きあげます。冷めてもべとつかない美味しさは、まるでおひつで保管したかのようです。
2.“厚み”が炊飯に最適な温度を生み出す
驚きは、その厚み。普通の土鍋の1.5倍はあるそうです。
炊飯は炊きはじめから10分で100℃に達し、そこから温度を下げないのが美味しく炊くコツ。「はじめチョロチョロ、中パッパ、赤子泣いてもふた取るな」とはこのこと。わかっちゃいるけど、このタイミングがなかなか難しいものですよね。
「かまどさん」は、強めの火にかけるとちょうど10分後あたりで100℃に達し、火を止めてもその蓄熱性により温度が下がりません。
これが、最適な炊き上げと蒸らしを実現。細かい火力調整なしで炊ける理由なのです。

3.“内ぶた”が圧力釜のような働き
「かまどさん」は内ぶたをそなえた2重構造。
この内ぶたには2つの穴が開いていて、上ぶたの穴(1つ)と直角になる位置にセットするのがコツなのだとか。
米に適度な圧力がかかり、圧力釜の役目を果たします。
吹きこぼれしないのも、この2重構造のおかげ!

「かまどさん」で美味しく炊くコツ
まずは、お米をしっかり浸水させましょう。20分が目安です。
火にかけたらまずは「中くらいの強火(中強火)」に。ふたの穴から蒸気が噴出し始めたら1~2分後に火を止めて、蒸らすこと20分。これだけなんです。
釉薬がかかっていない白い部分の下半分くらいまで炎で包み込まれるのが、中強火の目安です。絶妙の中強火でうまく炊くコツはあるのでしょうか。
竹村さんによると、最初は蒸気が噴き出すまでの時間を計るのがよいそう。
加熱後、10分で蒸気が出だすのがベスト。
遅ければもう少し強く、早ければ弱くしてみるなど調整してみましょう。
ふたを開けた瞬間のいい匂いとほんわか湯気に思わず歓声があがります。
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炊飯だけじゃない!「かまどさん」の実力!
1.煮物もおいしい!
ポトフも土鍋でつくると、野菜の甘みと旨みが引き出せます。
煮物は加熱後、冷めていくときに味がしみると言われます。
「かまどさん」は蓄熱性が高く、ゆっくり冷めていくのが特徴。
酵素が働くと言われる30℃~60℃に保たれている時間が長いため、旨みのしみた煮物ができるのです。
さらに、遠赤外線効果の高い釉薬を使用しているので、ごはんはもちろん、煮物にもぴったりな土鍋なのです。
2.専用すのこで蒸し料理も!
食材本来の旨みを味わうなら蒸し料理!
専用の陶製すのこ(別売)があれば、蒸し料理もかんたんにできます。
すのこをセットした「かまどさん」に水をいれて、沸騰してから食材を投入。
勢いよく沸いた湯気で約3分。一気に蒸しあげて旨みを逃しません。
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「かまどさん」の選び方
最後に「かまどさん」の選び方を竹村さんにお聞きしました。
サイズは、二合炊きと三合炊きで迷われる方がほとんどだそう。
おすすめはやはり三合炊き。4人家族なら炊飯もじゅうぶん、煮物にもぴったりなサイズです。
肉厚なボリューミィボディなので、二合と三合で見た目にもけっこうな大きさの違いが。
ごはんに、おかずにと毎日使えるものなので、収納場所を気にせずキッチンに出しっぱなしでよいことを考えると、少し大きくても気になりません。
すべてハンドメイドなので、釉薬の具合などの個体差があるのも、自分だけの土鍋という感じがして愛着が湧いてきます。
鍋底はあえて気孔が入ったデコボコ感をそのままにしてあります。これは、凹凸を活かして熱が当たる面積を増やすことで、蓄熱効率をあげているのだとか。
陶製敷板が付属されていますが、テーブルなどにキズをつけないようお気をつけくださいね。

これこそ一家に1台!
「鍋で炊いたごはんは美味しい」となんとなく知ってはいたものの、元工業デザイナーという異色の経歴をお持ちの竹村さんの説明は、とても理にかなっていて大いに納得。お土産におにぎりにしていただいた「じゃこごはん」はもっちり甘くて最高でした!!土鍋×ガス火で炊いたごはんは、冷めてからその美味しさを発揮します。冬に鍋物でしか使わないという季節商品だった土鍋を、普段使いにした「かまどさん」。料理にももっと活用してほしいですね。
写真左)東京・恵比寿にある長谷園ショップ「長谷園 東京店イガモノ」店長の長谷伊佐子さんは、長谷園七代目・長谷優磁さんの娘さん。土鍋コーディネーターの竹村さんと一緒に、毎日の生活に取り入れられる伊賀焼を提案中。