片手でクッキングユニバーサルデザインキッチンツール特集第2回新潟県燕市のものづくり精神から生まれたライトスプーン(株)青芳 片手でクッキングユニバーサルデザインキッチンツール特集第2回新潟県燕市のものづくり精神から生まれたライトスプーン(株)青芳

みんなにやさしい
ユニバーサルデザインの
キッチンツール

「片手でも料理ができたらいいのに」というユーザーの思い。「いろいろな人に使っていただきたい」というメーカーの願い。ふたつの思いを編集部がつなぎます。「どんなときでも楽しく料理して元気になろう!」をテーマに、誰もが使いやすいユニバーサルデザインのキッチンツールをご紹介していきます。
今回は、片手でも安全に湯切り・水切り、湯通しなどができる便利ツールの登場です。

監修の社会福祉士の村井エリ先生からのメッセージもあります。
もっと料理を楽しむために!ぜひご参考に。

ほっこりネーミングでも実力派! ののじ
 アミオタモ・モコモコ

今回ご紹介するのは、茹でた野菜などをサッとすくえる優れもの。なんともユニークなネーミングの商品です。「アミ」+「オタモ」+「モコモコグリップ」を組み合わせた商品名だそう。
「オタモ」とは「お玉」と「しゃもじ」を掛け合わせた造語で、「お玉のようにすくえて、しゃもじのように手首のひねりが少ない使い心地」を実現しています。
では、「モコモコグリップ」とは??
握りやすくて使いやすい、 アミオタモ・モコモコのヒミツに迫っていきましょう!

片手で一気にすくい取れる!

野菜などを茹でたときの湯切り、どうしていますか?重たくて熱い鍋を持ち上げて、シンクに向かってザザザッ~と流していませんか。湯気でモウモウ、シンクがベコッと不穏な音を出したりして怖いですよね。ましてや、片手しか使えない場合は難しい作業です。
そこで、使ってほしいのがアミオタモ・モコモコです。

まずは、その大きさ。アミ部分の最大幅が約13.5cm、長さが16cmほどあり、女性の手なら収まるくらいの大きめサイズなので、一度にたくさんすくえるのがとても便利。深さもそれなりにあるため、たくさんすくっても安定して鍋から取り出せ、本体の重さは約10.5gと軽いので、ラクに使えます。

ソーセージもすっぽり収まり、取り出すのがとても簡単

ちなみに、長いパスタは片手での調理の場合は、扱うのがちょっと大変です。そこで、ショートパスタに変えて、このアミオタモ・モコモコを使えば、片手でも簡単にすくえて湯切りができ安全です。いろんな味のソースに挑戦したりと、さらに料理が楽しくなりそう。

抜群の安定感で握りやすい
「モコモコグリップ」

使いやすさのポイントのひとつが持ちやすさ。商品名の由来でもある「モコモコグリップ」は大小の突起が連なった形のグリップなので、大きな手でも小さな手でもとてもフィットして握りやすい形状です。ものをすくうアミ部分とグリップの重量バランスも考えられているので、すくう動作が実にスムーズ。

肉厚で握る形に合わせたグリップなので安定感がありしっかりつかめます。

上部は平らなフラット形状ですが、少し立体になった部分(黄色の部分)があることで、より滑りを防いで握りやすくなっています。

肉厚で握る形に合わせたグリップなので安定感がありしっかりつかめます。

実はこの黄色の部分は、貼り付けているのではなく、写真のような二重成形なのです。
開発秘話を教えてくれたのは、ののじ(株)広報企画部の三富加奈子さん。

「通常、溶けた樹脂材を金型に流し込んだ場合、冷えて収縮し『ひけ』というへこみやくぼみが生じてしまいます。そこで、ひけが起こる部分を陥没させ、二重成形にすることで、肉厚の立体グリップを完成させました」(三富さん)

モコモコグリップ・・・かわいい名前なのに意外と硬派な開発秘話があったのです。この特殊形成技術にたどり着くまで試行錯誤を重ねたのだとか。安定した握りやすさは、こんな苦労があったから実現したのですね。

アミ部分にもワザあり

一般に、穴は多いほど水切れの効果は高まるものの、ナイロン製ゆえにあまり多く穴を開けると耐久性にも問題が出るのだとか。まさしく研究しつくされた穴の大きさ、配列が、現在のアミオタモ・モコモコなのです。

これぞ耐久性と水切れのよさを両立したベストな穴の配列!

「ザルだといつまでもダラダラと水が 出てくるのですが、アミオタモ・モコモコだと驚くほど早くきれいに完璧に水切りできました」というユーザーの声も聞かれました。
さらに、ザルだと網目に食材の細かいカスが入り込んだり、汚れが溜まってしまったりして洗うのも一苦労です。アミオタモ・モコモコはグリップからアミ部分まで一体成形で汚れが溜まりにくく、衛生面でも安心。食洗機も使えるお手入れのしやすさも、ユーザーの高評価を得ているポイントです。

ユーザーの声から生まれた
アミオタモ・モコモコ

アミオタモ・モコモコは、2010 年に発売された「穴明きオタモ」がその前身となります。
こちらは、オールステンレスの一体成形で、料理研究家にも愛用者がいるヒット商品です。
「もっと軽くテフロン加工を損なわない柔らかい素材で作ってほしいというご要望でできたのが、ナイロン製のアミオタモ・モコモコなのです」(三富さん)。
確かに、先端に弾力性があってしなるので、鍋底にフィットして最後まですくいやすいのも
ナイロン製ならではの使いやすいポイントです。
そのほかにも「鍋に残った茹で汁を使ってレトルトを温めたり、ゆで卵の茹で汁は冷まして草木の水やりにも使えてエコな暮らしができました」というような、“お湯をムダに捨てなくてもよい”ことへのユーザーの評価も多数聞かれました。人にも環境にもやさしく使える商品なのです。

そもそもアミオタモ・モコモコは、“痒いところに手が届くような使い心地のよい調理器具”というテーマで作られた「マコソウヨウシリーズ」のひとつ。マコソウヨウ=麻姑掻痒は中国の神話に由来して“痒いところに手が届く”という意味を持ちます。そのコンセプト通りに、まさしく痒いところに手が届くアミオタモ・モコモコでした。

一級建築士事務所all代表
(一級建築士 × 社会福祉士)
村井 エリ

おいしくつくって
食べることの楽しみを

食は命の源です。「片手でクッキング」は、片麻痺の方だけでなく、けがで片手しか使えない時なども料理の楽しさを教えてくれます。そこで、使いやすいだけでなく、デザインがよく使っていて心地よいモノを選びました。どんな時でもおいしい料理をつくって食べる楽しみが続くことを願っています。

Profile

祖母の在宅介護を機に、いつまでも心豊かに暮らせる住まいと暮らしづくりに注力している。2017年以降、東京ガス主催のイベントにおいて、『人にやさしいプロダクト』、『人にやさしいキッチングッズ』の展示などを監修。