片手でクッキング人にやさしいキッチンツール特集 第5回 使ってみるとハマる人多し!片手でも使える タテ型ピーラー OXO(オクソー) 片手でクッキング人にやさしいキッチンツール特集 第5回 使ってみるとハマる人多し!片手でも使える タテ型ピーラー OXO(オクソー)

みんなにやさしい
ユニバーサルデザインの
キッチンツール

「片手でも料理ができたらいいのに」というユーザーの思い。「いろいろな人に使っていただきたい」というメーカーの願い。ふたつの思いを編集部がつなぎます。「どんなときでも楽しく料理して元気になろう!」をテーマに、誰もが使いやすいユニバーサルデザインのキッチンツールをご紹介していきます。
今回は、まだ日本では珍しいタテ型ピーラーのご紹介です。さて、その使いごこちは?

監修の社会福祉士の村井エリ先生からのメッセージもあります。
もっと料理を楽しむために!ぜひご参考に。

欧米では広く使われている タテ型ピーラー

こんな形のピーラー、ご存知でしたか?
日本では、左右に刃を渡したY字型ピーラーが一般的ですが、欧米ではタテ型ピーラーが広く使われています。アメリカのメーカーであるOXO(オクソー)では、タテ型・Y字型などさまざまな用途のピーラーが開発されていますが、OXOの商品第1号であるこのタテ型ピーラーは、世界で愛される代表的な商品といってもいいでしょう。

タテに刃がついた見慣れない形。先端にはジャガイモの芽取りもついています。

「包丁のように使いたい」を
叶えた使いごこち

とはいっても、使いこなせるか心配な方もいるであろうタテ型ピーラー。その使い勝手は「包丁のように使う」とイメージしてみてください。
にんじんなどの長いものなら、手前から向こう側に押し出すように。するとアラ不思議、思ったより自然と軽く刃がすべり軽くむけます。実際に使ってみたところ、Y字型より手首のひねりが少なくて済むのでラクかなという印象です。

片麻痺の方や関節炎などで片手しか使えない時でも、にんじんをタテに置いて親指で押さえながらピーラーを手前にすべらせればむくことができます。最初は少し慣れない動作かもしれませんが、コツをつかむと上手にむけるようになります。

〈片手で使う場合〉

濡れたふきんを敷くとにんじんが転がらずに安定するので、親指で押さえて片手でむく動作がしやすくなります。
(上写真は東京ガス『片手でクッキング』より)

ピーラーでりんごをむく!?

「タテ型ピーラーの使いやすさを感じられるのは丸い食材でしょうか」とアドバイスをくれたのは、OXO広報・オフィスマネージャーの高田亜矢さん。「ピーラーを使ったことがないというシニアの方に『包丁と同じ感じでむいてください』とりんごでお試しいただいところ、丸々1個を見事に一度でむいてくださいました」というエピソードも。まさしく包丁のような使い勝手をイメージすれば、使いこなせるようになりそうです。刃の部分が可動式なので野菜の丸みにもフィットしてくれます。

〈片手で使う場合〉

ジャガイモなどの丸いものは親指で押さえてピーラーを手前にすべらせれば、むくことができます。親指で押さえるコツをつかむと一気に上達します。
(上写真は東京ガス『片手でクッキング』より)

すべりにくい素材のグリッド
「フィン」

使いやすさのポイントは「フィン」と呼ばれるグリップにもあります。柔らかい素材で手にフィットしやすく、細かいゴムの溝がすべり止めとなって強くにぎらなくてもしっかりと持つことができます。

ピーラーで料理の幅を
広げてみましょう

ピーラーは皮むきだけではありません。きゅうりやにんじんなどを薄くスライスしてリボンサラダを作ったり、お鍋の具材も薄くスライスすることでいつもと違った趣向になります。皮をむいたあとにわざわざスライサーを出すより、そのままピーラーでスライスする方が楽ですよね。包丁もいらないので一石二鳥です。

「私自身もタテ型ピーラーをスライスに使うことも多いです。野菜や果物だけでなく、チーズやチョコレートを削るのに使う方もいらっしゃるようです」(高田さん)。

調理を助けてくれるだけでなく、料理の世界も広げてくれそうなタテ型ピーラー。使ってみる価値ありです。

広報担当者に聞く ここもおすすめポイント!

誰にでも使いやすい道具を追求したOXOの創業秘話

OXOは1990年にニューヨークで創立。その創業理念はユニバーサルデザインのもとにあります。そのこだわりは?気になる創業秘話について聞いてみました。

POINT

きっかけは
関節炎の妻への思いやり

創業者のサムが、関節炎を患う妻ベッツィが皮むきに苦労する姿を見て、なんとか楽にするキッチンツールはないかと考えたことが開発のきっかけです。毎日の料理になぜ辛い思いをしないといけないのか、そんな思いがあったのでしょう。「誰にでも使いやすいピーラーを作る」という思いからOXOは誕生しました。

創業者のサム・ファーバーと妻のベッツィ

POINT

100を超える試作を経て⋯

サムは当時主流だったステンレス製のピーラーのグリップの使いごこちにこだわりました。その試作品はなんと100以上にものぼります。そして、少し太めのグリップと合成ゴムによるすべり止めという、より良い素材とサイズ感にたどり着いたのです。

「タテ型ピーラーはOXOの商品第1弾として1990年に発売されましたが、当時はこの形状を量産できる工場がアメリカ国内になく、実は日本で生産されていたのです」と高田さん。現在では技術の向上により高いクオリティで生産できる中国に生産拠点は移りましたが、意外なところで日本とつながっていたのですね。

使いやすさにこだわり生み出された試作品の数々と
タテ型ピーラーの変遷

POINT

現在に続く
ユニバーサルデザインへの情熱

こだわりのグリップは「GOOD GRIPS(グッドグリップス)」シリーズとしてタテ型ピーラーを含む15のキッチンツールが1990年にアメリカでデビュー、現在では1000を超える商品を開発・販売しています。
「世の中にはたくさんの手があって、その一つでも多くの手にフィットする商品を作ろうという思いを忘れないために、ニューヨーク本社の壁にはたくさんの手袋が飾られているんですよ」(高田さん)

この手袋ひとつひとつに
同社の初心が詰まっています

一級建築士事務所all代表
(一級建築士 × 社会福祉士)
村井 エリ

おいしくつくって
食べることの楽しみを

食は命の源です。「片手でクッキング」は、片麻痺の方だけでなく、けがで片手しか使えない時なども料理の楽しさを教えてくれます。そこで、使いやすいだけでなく、デザインがよく使っていて心地よいモノを選びました。どんな時でもおいしい料理をつくって食べる楽しみが続くことを願っています。

Profile

祖母の在宅介護を機に、いつまでも心豊かに暮らせる住まいと暮らしづくりに注力している。2017年以降、東京ガス主催のイベントにおいて、『人にやさしいプロダクト』、『人にやさしいキッチングッズ』の展示などを監修。